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月で曲が書ける時




僕はそっと煙草を吹かしに窓の外
君は黙って付いて来て
三月最後の月の灯りで
髪を洗う横顔が画になった

ああ
なにごともなき

明日も一日
何事もなき

僕は注意深く
目に見えない程小さく笑った

そして捧ぐは
視界の闇に負けない程の深い深い祈り

その訳は
深い闇に呑まれてしまったからだろう

この祈りは
ただ深い
何にという訳でない
ひとつの祈りはただ深い


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詩人と子供は月をピカピカと云うだろう




月はピカピカしていた

それはいつだっただろう
彼の周りにいた人は
彼が本気でそう言うものだから
魂を削ってピカピカだと説くものだから
その時確かに
月はピカピカしていた

君はきっと
初めて満月を見た時だった
月はピカピカしていた

今宵の君はきっと
忘れてしまっていたり
感じる事ができなくなってしまっている
月はピカピカしていた

多くの大人は
また現代を必死に生き延びる人らは
月はピカピカしていた
そんなことを口にする人を
ちゃんちゃら可笑しいだとか
やれ拙いだとか
なんだよ電球じゃあるまいし
なんて顔して莫迦にする

それはきっと
恒星がなんだとか
それは反射光に過ぎないのだ
などと宣った莫迦が
大昔にいたからだろう

月が夜空を照らすあかりたれないのならば
君の泪は何によって乾かされようか
月が夜空を照らすあかりたれないのならば
もはや科学なんて
優しい真面目君が癒してくれるだけの老賢者

文字も観念もない
因果関係をも手放したその体で
暗い一人を生きた時
君の眼には確かに
月はピカピカしていた