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ある種の失恋



そのやうにして訪れた宵は
からうじて、粉雪を、
掌(てのひら)で翫(もてあそ)ぶばかりでした。

蕩(とろ)かして殺めては、
温もりに裏付けられた生を
愉しんでいるのでありました。

田舎の夜空が在りしままで
在りしままの田舎で在れる路傍でね
一輪挿しのやうに真つ直ぐに
それでいて夜風などゆらゆらと真に受けながら

 粉雪は畳み掛けます
 冷たあく、淡あく、
 体温すら奪うことなく
 卒なく想ひは際立たせ

やはり違う生き物なのだな
人の気持ちは解らないな、と
共感の気持ちを諦めちまつたその刹那
これまで泣けもしなかつた
オートマタのその頬に、ただ慎み深く、
涙が流るるやうになつたのでありました


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