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物語の要らない世界



人は心を持って生まれて
僕は人
人として生まれたわけだから
僕は時に
時に非道いけれど
君だって利用してしまう

だって人は 心を動かすために
心臓が付いている生き物なのだから

ああ
これまでの たくさんの 君
僕と出会うことになってしまって
ほんとうに ごめんね



心が動くのは何故だろう
プラスにでも マイナスにでもいいんだ
きっとこの仮説は的を射ているんだろうね
僕は二人称をなくす映画を貪るように観てきた

だとしたら
手っ取り早く 心を動かしたかったと窺える
だとしたら
人の死とはそんなに陳腐なものかと諫められる

ほんとうに 結ばれたことがないから
別れの涙しか知らないだけ
でも 僕にとっては
死とはなんとも綺麗な物語なんだ

ああ
今 君と出逢いたい
今 ほんとうに結ばれたい

物語の要らない世界で
どうかお願いだ
僕のヒロインになってほしい


平行世界の四季




恋に気づいてお腹が空いて
恋に満たされお腹がいっぱい
恋に飽きらばお腹が空いて
恋が終わればお腹がいっぱい

あぁ、あ
詩でも書いとったんなら
人と繋がっておれるんかな
繋がっておれる人がおるんかな

パラレルワールドに遊びに来てよ
君は、僕で、君は今、すべて解放されている

あの人とはすれ違うことなく、
どこまでも運命の人だったよ

恥と辛酸と修練の輪廻から
解脱できないと悟っていた
君の選んだ仕事は
のんびりとした田舎に佇む
ひなびた温泉旅館と共にあるよ

だから大丈夫
君は幸せだ

ほんなら、
詩、書くで
まだここにおるよ
ほんで、
お腹空かせてくれる人探すよ



(対・冬旬母性)




夢在リテ
勉学ノヲト
認(したた)メテ
心重ネタ冬蜂ハ
母ノ胸
埋(うず)メテネンネノ子守唄

勘違イ

蟷螂(かまきり)ノ
最期ノ冗談
随(まにま)ニト
聴カセテ貰ツタ訳デシタ


ある種の失恋



そのやうにして訪れた宵は
からうじて、粉雪を、
掌(てのひら)で翫(もてあそ)ぶばかりでした。

蕩(とろ)かして殺めては、
温もりに裏付けられた生を
愉しんでいるのでありました。

田舎の夜空が在りしままで
在りしままの田舎で在れる路傍でね
一輪挿しのやうに真つ直ぐに
それでいて夜風などゆらゆらと真に受けながら

 粉雪は畳み掛けます
 冷たあく、淡あく、
 体温すら奪うことなく
 卒なく想ひは際立たせ

やはり違う生き物なのだな
人の気持ちは解らないな、と
共感の気持ちを諦めちまつたその刹那
これまで泣けもしなかつた
オートマタのその頬に、ただ慎み深く、
涙が流るるやうになつたのでありました


パンダの眼鏡




ここにいる

ここにいるとしか
言わないよ



それはね。

あたながここから
安心して離れていけるように



それはね。

あなたにみつけてほしいから






探して?

そこから、探して。



青く眩い雪のように
私が確かに大事に想った
優しいあかりがあるでしょう



それはね、

一緒に灯したの

あなたの氷の洞穴で

震えたかぼそい迷子のために



一緒に灯した
離れていけるように
みつけて
あなたのこころに

そこからみつけて
ここにいるから
見守っているから
あなたのこころ



壊れる前が一番美味しい




それって
いま
おもいついた
ことばなんじゃない?

それくらい
ながいあいだ
ずっと
わすれていたけど

それもそうだね
なんて返すのが自然なほど
受け容れられなかったことだけど




もう死ぬんで許してください
神さまとの対話の仕方を
その呟きを以て心得ていた時があった

余韻も突拍子もなく僕は多弁に続けるけど
きっと神さまにその願いは届いてたと思う
だから、きっと僕は人と同じだけ
生きることが難しくなってるんだと思う

だからね、
好きな人ができたら
大きな声で愛してると言おう
好きな唄を大声でうたおう
恥ずかしくっても、表現しよう
心病んで弱り切っている人がわかれば
死なないで、あなたの命が諦められない
と、生きてる内に伝えよう
伝えよう

僕の意味なんて
それだけだよ
それだけ、なんだよ


九月一日



――もっと強い人だと思っていたのに
うぶな失望吐き捨てて
私はあなたを置いてけぼりに
ひなびた町を出ていった


自分の弱さ
棚に上げて


――この夏はひとりきりで過ごしたのだよ
九月の風が一息に
教えてくれて消えたから

小さな私
背伸びできるようになったよ
棚の上のそのために