All Entries |  Monthly Archives |  Tag Cloud |  New entry |  Up load | 

(対・冬旬母性)




夢在リテ
勉学ノヲト
認(したた)メテ
心重ネタ冬蜂ハ
母ノ胸
埋(うず)メテネンネノ子守唄

勘違イ

蟷螂(かまきり)ノ
最期ノ冗談
随(まにま)ニト
聴カセテ貰ツタ訳デシタ


ある種の失恋



そのやうにして訪れた宵は
からうじて、粉雪を、
掌(てのひら)で翫(もてあそ)ぶばかりでした。

蕩(とろ)かして殺めては、
温もりに裏付けられた生を
愉しんでいるのでありました。

田舎の夜空が在りしままで
在りしままの田舎で在れる路傍でね
一輪挿しのやうに真つ直ぐに
それでいて夜風などゆらゆらと真に受けながら

 粉雪は畳み掛けます
 冷たあく、淡あく、
 体温すら奪うことなく
 卒なく想ひは際立たせ

やはり違う生き物なのだな
人の気持ちは解らないな、と
共感の気持ちを諦めちまつたその刹那
これまで泣けもしなかつた
オートマタのその頬に、ただ慎み深く、
涙が流るるやうになつたのでありました


パンダの眼鏡




ここにいる

ここにいるとしか
言わないよ



それはね。

あたながここから
安心して離れていけるように



それはね。

あなたにみつけてほしいから






探して?

そこから、探して。



青く眩い雪のように
私が確かに大事に想った
優しいあかりがあるでしょう



それはね、

一緒に灯したの

あなたの氷の洞穴で

震えたかぼそい迷子のために



一緒に灯した
離れていけるように
みつけて
あなたのこころに

そこからみつけて
ここにいるから
見守っているから
あなたのこころ



壊れる前が一番美味しい




それって
いま
おもいついた
ことばなんじゃない?

それくらい
ながいあいだ
ずっと
わすれていたけど

それもそうだね
なんて返すのが自然なほど
受け容れられなかったことだけど




もう死ぬんで許してください
神さまとの対話の仕方を
その呟きを以て心得ていた時があった

余韻も突拍子もなく僕は多弁に続けるけど
きっと神さまにその願いは届いてたと思う
だから、きっと僕は人と同じだけ
生きることが難しくなってるんだと思う

だからね、
好きな人ができたら
大きな声で愛してると言おう
好きな唄を大声でうたおう
恥ずかしくっても、表現しよう
心病んで弱り切っている人がわかれば
死なないで、あなたの命が諦められない
と、生きてる内に伝えよう
伝えよう

僕の意味なんて
それだけだよ
それだけ、なんだよ


九月一日



――もっと強い人だと思っていたのに
うぶな失望吐き捨てて
私はあなたを置いてけぼりに
ひなびた町を出ていった


自分の弱さ
棚に上げて


――この夏はひとりきりで過ごしたのだよ
九月の風が一息に
教えてくれて消えたから

小さな私
背伸びできるようになったよ
棚の上のそのために


晩餐会の由来と招待状の行方




叫べばよかった 後の祭りか
目を瞑れば何も見えないはずなのに
「強く生きなさい」
瞼の裏ではじけていたんだ

誰にも知られずに静かに吐いたよ
片思いの相手の介抱で
思わず貰ってしまったときも

精一杯生きたつもりでいたけど 
けど けど けど
誰かを幸せにできたかな
精一杯生きたつもりでいたけど
精一杯に天国に向かえるのかな

でも でも でも
苦しくても、忘れないよ
ありがとう



叫べばよかった 後の祭りか
口を開けば自由に喋れたはずなのに
「強く生きなさい」
後頭部でこだましただけ

誰も呼べずに静かに吐いたよ
昔の恋人の勘違いで
毒を盛られてしまったときも

精一杯生きたつもりでいたけどさ
けどさ…
誰かに幸せにしてもらうことがあったのかな
天国で迎えてくれる人はいるのかな

でもね…
悔しくても、忘れないよ
ありがとう


茫々余情




日の光
僅かに溜めて解き放つ
畳の上で手を広げ
仰臥の欠伸耳に落つ

呼吸を一つ
また一つ
天井見ながら
また一つ

君の隣で茫々と
昔の法事を思い出す



親戚か
さも親戚の小父さんの
禿げた頭の
よく似合うこと

瓶の麦酒で蛸入道
畳の上で臍出して
閉じた瞼の猩々緋
大きな口の奥の錫



春の日の
丸く輝く散歩道
真似はできぬと嘆いても
やれ傍らの懐かしさかな