All Entries |  Monthly Archives |  Tag Cloud |  New entry |  Up load | 

パンダの眼鏡




ここにいる

ここにいるとしか
言わないよ



それはね。

あたながここから
安心して離れていけるように



それはね。

あなたにみつけてほしいから






探して?

そこから、探して。



青く眩い雪のように
私が確かに大事に想った
優しいあかりがあるでしょう



それはね、

一緒に灯したの

あなたの氷の洞穴で

震えたかぼそい迷子のために



一緒に灯した
離れていけるように
みつけて
あなたのこころに

そこからみつけて
ここにいるから
見守っているから
あなたのこころ



壊れる前が一番美味しい




それって
いま
おもいついた
ことばなんじゃない?

それくらい
ながいあいだ
ずっと
わすれていたけど

それもそうだね
なんて返すのが自然なほど
受け容れられなかったことだけど




もう死ぬんで許してください
神さまとの対話の仕方を
その呟きを以て心得ていた時があった

余韻も突拍子もなく僕は多弁に続けるけど
きっと神さまにその願いは届いてたと思う
だから、きっと僕は人と同じだけ
生きることが難しくなってるんだと思う

だからね、
好きな人ができたら
大きな声で愛してると言おう
好きな唄を大声でうたおう
恥ずかしくっても、表現しよう
心病んで弱り切っている人がわかれば
死なないで、あなたの命が諦められない
と、生きてる内に伝えよう
伝えよう

僕の意味なんて
それだけだよ
それだけ、なんだよ


九月一日



――もっと強い人だと思っていたのに
うぶな失望吐き捨てて
私はあなたを置いてけぼりに
ひなびた町を出ていった


自分の弱さ
棚に上げて


――この夏はひとりきりで過ごしたのだよ
九月の風が一息に
教えてくれて消えたから

小さな私
背伸びできるようになったよ
棚の上のそのために


晩餐会の由来と招待状の行方




叫べばよかった 後の祭りか
目を瞑れば何も見えないはずなのに
「強く生きなさい」
瞼の裏ではじけていたんだ

誰にも知られずに静かに吐いたよ
片思いの相手の介抱で
思わず貰ってしまったときも

精一杯生きたつもりでいたけど 
けど けど けど
誰かを幸せにできたかな
精一杯生きたつもりでいたけど
精一杯に天国に向かえるのかな

でも でも でも
苦しくても、忘れないよ
ありがとう



叫べばよかった 後の祭りか
口を開けば自由に喋れたはずなのに
「強く生きなさい」
後頭部でこだましただけ

誰も呼べずに静かに吐いたよ
昔の恋人の勘違いで
毒を盛られてしまったときも

精一杯生きたつもりでいたけどさ
けどさ…
誰かに幸せにしてもらうことがあったのかな
天国で迎えてくれる人はいるのかな

でもね…
悔しくても、忘れないよ
ありがとう


茫々余情




日の光
僅かに溜めて解き放つ
畳の上で手を広げ
仰臥の欠伸耳に落つ

呼吸を一つ
また一つ
天井見ながら
また一つ

君の隣で茫々と
昔の法事を思い出す



親戚か
さも親戚の小父さんの
禿げた頭の
よく似合うこと

瓶の麦酒で蛸入道
畳の上で臍出して
閉じた瞼の猩々緋
大きな口の奥の錫



春の日の
丸く輝く散歩道
真似はできぬと嘆いても
やれ傍らの懐かしさかな


ルーレットの玉を目で追った




いい手札じゃないか
なによりババ抜きは得意なゲームだ

連中の裏側のジョーカーを
連中の表情が作り上げた
噂に乗せて追っていった

一人また一人と抜けてゆくのも
心地よい愉快がもたらされるのみ

着実にベットを積み重ね
ゲームに終わりが見えたころ
嫌な予感に青ざめた

どうやら俺がしているのは
ジジ抜き以外に考えられない

俺は今まで何をしていたんだろう
何が面白くて笑っていたんだろう
滑稽滑稽。今は只、滑稽也!

気がつけばベットは吊り上げられ
ゲームの終わりが告げられたとき
命が無くなりそうだ

隙をついて逃げるしかないのだろうか


やぎのえさ



丸めちまったネクタイを
ぽっけのなかでにぎりしめ
オリオン座の空 足早に

きみには電話の贈り物
ぼくにはポストに山羊の餌



「山羊の丘 遠いね おそろいの写真 ほしいね」

ぼくのぽっけに
きみのやさしさつめられた



丸めちまったネクタイの
つもりでにぎったやさしさを

ひろげて
飛ばして
風よ吹け

旅路のとちゅう 足早に